ドラゴンフォース65チューニングガイド (ドラゴンフォース65調整方法)


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目次
・まえがき
・蛇足
・バックステーについて
・入門者の場合
・フィル氏のチューニングガイド2022年7月バージョン
・旧版フィル氏のチューニングガイド(2019年バージョン)
・脱入門を目指す方へ





フィル氏のチューニングガイドについて

オーストラリアのPhil_Burgess氏は現在国際DFクラス協会の議長であり腕の良いDFセーラーでもあります。
最初のDFのチューニングマニュアルはセールメーカーのソックセールから公表(DFページにリンクが有ります)されていましたが、それを参考に纏め、後に発売されたA+を加えるなどした物がこのフィル氏のチューニングガイドです。
そして、初期に公表された旧版に対して数値や計り方の修正が入ったものが2022年7月バージョンです。
DFの取説にはチューニングの説明写真があり、実は全てを表現していますが、メジャーや物差しの方が理解しやすい場合もあるので補足も含めて参考にしてください。


蛇足

2022年7月バーションは初期の物に比べると攻めたセッティングだなあと思いました。数多くのレースが行われて洗練されて行ったためだと思います。
逆に言うと、入門者など場合に依っては少し厳しいセッティングになるかも知れません。トータルなパフォーマンスは艇のピンポイントな性能だけでは無いからです。ある条件だけ速くても使いにくければ生かせません。
最後の欄に書いて有る「条件に依り変更して使う」というのはユーザーのスキルなども含まれるのです。


リグの選択
DF65のセール(リグ)は4種類でA+、A(キット付属)、B、Cの順に小さくなります。
大きなセールの方がパワフルですが、強風などでオーバーパワーだとコントロールが難しくなります。風域の上限でコントロールを失う事があるなら小さなセール(リグ)に交換して普通に走る方が速いです。(ノーコンになる以前に、修正舵はブレーキになるからです)


バックステーについて
バックステーのテンションはマストをベンド(曲げる)ために必要です。多くの場合メインセールのラフ(前縁)はカーブして居ますが、ラフカーブに合わせてマストをベンドさせるのが一般的な調整方法です。マスト上端の方向から見下ろすと解りやすいです。
最適なベンド量はセールの違い、マストのジョイントの仕方、ラフリングの違い、ジブステーのテンションなどでも変わります。スライディングデッキプレートの位置でもバックステーの長さが変わります。なので、バックステーの数値にこだわるのでは無く、ベンドのための長さ調節と考えたほうが良いのです。(ちなみに私は自分の艇のバックステーの長さを測ったことは有りません!(笑))


入門者の場合

・ツイストは多目に(←特に重要!)
・キャンバー(ドラフト)は多目に
・ブームは出し気味に


つまり初期バージョンのセッテイングの「方向」がそれに近いわけです。(笑)

これらは上り角を少し落とし、艇速は少し早く頭打ちになる場合がありますが、扱いが楽になり安定してコンスタントに走れる様になります。
止まってばかりいる、走りが安定しない、レースで順位がばらつく/いつも下位....そんな時は思い出して試してみてください。
そんな人がいたら教えてあげてください!


チューニングには色々な流儀があります。ベテランにはそれぞれのレーススタイルがあるからです。
因みに私はツイストもキャンバーも多目。外さないことを目指して居ます。マストゲートも後から2番目固定です。(笑)リグ交換の時間はタイヤ交換のピット作業と同じで、速い方が有利なこともあるからです。ジブブームフックダウンのガイド糸が付けてあれば工具も持たなくて済むし。そもそもリグ交換の度に調整殆ど全部やり直すなんてレースイベント中には無理だし、調整し切れてない艇なんて精神的に良くありません。
代わりに前後ブームのバランスはしっかり取ってつじつま合わせてますよ。
安定した風の中では手放しでクローズホールドを走れる様にヘルムとツイストを調整しています。FDの調整のキモです。



特にボートが速くない場合は、「疑わしい場合はひねってください」と自分自身に (そして他の人にも!) 言い続けています。
by ブルース・ファー @ DFレーシングワールドインフォメーションサイト・スキッパーインタビューより



脱入門を目指す方へ
ガイドにもありますが、推薦値は幅があり目安です。一方、それぞれのバランスはとても大事です。
数値の再現精度よりバランスが大切という事です。

前後ブームのバランスとマストゲートの位置(レーキ調整)、前後セールのキャンバー比率、ツイスト比率も揚力中心を前後に移動させます。グライダーで言えば重心位置合わせで、基本中の基本です。キールという主翼とラダーという尾翼で水中を滑空するヨットのキモでヘルムとヘルムの安定性が決まります。
いくつも同時に変えると混乱します。一つづつ変え、良くならなかったら必ず元に戻せるようにしておきましょう。
メインのツイストはブームバングだけ、前後ブーム(つまりセールの迎角)のバランスはバウジーだけ、それぞれ単独で変えられて他に影響しないのでお勧めです。(判断しやすく、変えてダメでも戻しやすい)
ジブが主翼、メインがスロッテッドフラップと考えた場合、ジブは揚力の殆ど(しかも推力成分)を担当するので適値から外せません。メインはフラップと同様に翼型特性を変えます(キャンバーとモーメント係数の関係)し、ヘルムのバランスを修正するのに「手軽に」使えます。
もう一度書いておきます。安定した風の中では手放しでクローズホールドを走れる様にヘルムとツイストを調整しましょう!FDの調整のキモです。

DF65の調整 YouTube



DF65チューニングガイド 2022年7月バージョン

参考
旧版DF65チューニングガイド (2019年バージョン)


このチューニングガイドはフィル氏の許可を得てJPN750永井が作成しました。
間違い等があったらお知らせ願います。

(22022.08.15)




測定箇所等の名称は取扱説明書に記載されていますが、良く解らないという方が居ましたので図を追加します。ご参考に。

赤い所(マストベンドだけはオレンジ)を計るという事です。



(22022.09.05 測定箇所図説追加)




(2022.09.17 少々加筆)
(2023.01.20 少々加筆)
(2024.01.25 少々加筆)
(2024.02.02 少々加筆)




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